『私たちはなぜ眠るの?眠りのしくみとは』

睡眠についてはまだまだ謎の部分が多いのですが、
少しずつその機能がわかってきました。
たとえば、睡眠中に多く分泌される成長ホルモンは、
子どもの発育を促すだけでなく、
体内の傷ついた細胞を修復する役割があります。
なかでも重要なのが「脳細胞の修復や整備」と言われています。
「起きているときに知的な情報処理を担っている大脳皮質は、
眠っている間に整備点検をしているのです」と三池先生。

それだけではありません。
こんな実験報告もあります。
成人に単語を覚えてもらい、
12時間後にどれくらい覚えているかテストしたところ、
睡眠をとったグループのほうが
とらなかったグループよりも成績がよかったのです。

このように、睡眠には記憶を整理し、学習の効果を高めるなど、
さまざまな機能があることがわかってきました。
「ただし、眠ればよいというものではありません。
体内時計に合った睡眠ができているかどうかが重要です」
と三池先生は強調します。