「立体視力」の未発達も憂慮すべき事態となっています。
「立体視力」は危険から身を守ったり、獲物を捕まえたり、労働したりする上で、
つまり人間が生きていくために非常に重要な能力です。
かつての子どもたちは自然の中で体を使って、「立体視力」を発達させてきました。
しかし、テレビもテレビゲームもパソコンも画面は平面です。
見るという行為に二つの目、立体視力は必要ないのです。
今、日本の子どもたちは、「視力」の発達する子ども期に長時間テレビ、ビデオ、テレビゲーム、パソコンなどの“平面画面”を見続ける生活で
左右の視力差が生じて「立体視力」が育っていないのです。
学校現場からは、左右の視力差が0.3以上という子どもの増加とともに、
“ドッジボールをしていて突き指をする子”
“バレーボールで、顔でボールを受ける子”
“階段を踏み外す子”
など「立体視力」に問題があると思われる子どもたちが確実に増えていることが報告されています。
人間は、生きていくための情報の8割を眼から取り入れているといわれています。
その大事な眼の働き、「視力」や「立体視力」の異変も現代の子どもたちの「劣化」の一側面にほかならないのです。