14/1/20「ウイルス除去剤の事故」
14/01/20 20:21 
▼タイトル
「ウイルス除去剤の事故」

▼本文


おこさんの事故情報です。
ここ数年、
ウイルス除去剤と称されている
製品が市販されています。
今回の事故は、
この除去剤を誤飲した
おこさんの事例です。

1歳9ヶ月の男児です。
インフルエンザと診断され、
家族に感染しないようにと
母親がウイルス除去剤を
購入しました。

自宅台所で説明書通りに
ボトル容器の蓋を開けて
付属の顆粒を投入し、
蓋を開けたまましばらく
待っていました。
その場を離れて戻ってきたら、
男児が椅子を台にして
テーブルの上に置いていた
そのボトル容器を持って
苦しそうにしていました。
ボトルの口には
水滴がついていて
飲んだ可能性があり、
しばらくして
嘔吐し顔色不良となりました。

病院を受診し、
呼吸状態が悪化したので
人工呼吸器を装着しました。

検査の結果、
血液中の
メトヘモグロビン濃度が
上昇していました。
その後状態は改善しました。

ウイルス除去剤の中の
二酸化塩素液が
経口摂取されると、
体内で亜塩素酸を生じて
メトヘモグロビン血症を
引き起こします。

メトヘモグロビン血症とは、
赤血球内の酸素を運ぶ
ヘモグロビンの核をなす
2価の鉄イオンが
亜塩素酸によって
3価の鉄イオンに酸化されて
メトヘモグロビンになり、
酸素との結合能力が
失われた状態になることです。

その結果、
チアノーゼ、頭痛、めまい、
呼吸困難、意識障害などの
症状が出現します。

現在、
インフルエンザ感染症が
予想通り急増しています。
ウイルス除去剤を
使用している方も
いらっしゃるかもしれません。
スプレータイプの商品も
あるようです。

この液体を
誤飲した場合、
このような事態を招く
可能性がありますので、
ご使用の場合は
おこさんの
手の届かない所に置く、
スプレータイプは吸い込む
可能性があるので、
できれば使用しない方が
無難かと思います。