14/3/10「B型肝炎」
14/03/10 20:19 
▼タイトル
「B型肝炎」

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先日小児のB型肝炎について、
この分野の日本のリーダーの先生の
講演を聴きました。

B型肝炎は
世界では約3億人の感染者がいて、
毎年この肝炎関連疾患で
約60万人が死亡しています。
日本には現在この肝炎の感染者は
130〜160万人います。

小児、
特に3歳未満のおこさんが
B型肝炎に感染したら
ウイルスは途中で消えないで
持続感染の状態、
つまり病気は発症していない
保因者となりやすく、
その場合自覚症状はないので
感染したか本人も周囲も
気づきません。
そして年月の経過とともに
慢性肝炎、肝硬変、肝臓がんと
進行していく場合があります。

感染経路は
B型肝炎ウイルスを持っている人の
血液、唾液、汗、涙の中に
このウイルスが存在していて、
それらの体液を介して感染します。
尿中にもこのウイルスは存在します。

事例の紹介がありました。

おばあちゃんが
このウイルス保持者で、
同居しているお孫さんに
いつの間にか感染していて、
そのおこさんが
B型劇症肝炎を発症し、
集中治療を受けて
一命を取り留めました。
そして、同居はしていない
時々遊びに来ていた
お孫さんにも感染していて、
そのおこさんは
B型急性肝炎を発症しました。

また保育園で
集団感染した事例もあります。

2012年までに
世界保健機構(WHO)加盟
192か国中180の国で
B型肝炎ワクチンは
定期接種となっています。
日本は皆様ご存知の通り
いまだ定期化されていませんし、
その動きもありません。

ただし日本では
B型肝炎ウイルス母子感染予防
のためのワクチン接種は
保険診療が認められていて、
1985年から実施されています。

しかし、
母子感染だけを予防しても
このB型肝炎ウイルスの感染を
抑制することはできません。

B型肝炎ウイルス感染を
防ぐことはとても大切です。
ワクチンは任意接種で有料ですが、
接種されることをお奨め致します。

沈丁花が咲いています。
春はもうすぐです。