14/6/16「ブドウ誤嚥」
14/06/16 20:02 
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「ブドウ誤嚥」

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おこさんの事故情報です。
ブドウを誤嚥して窒息しました。

*1歳6か月のおこさんです。
これまでブドウは食べたことが
ありませんでした。
ブドウは種なしの巨峰でした。
父親がブドウの皮を剥き、
父親の目の前で丸ごと1個を
児が手にとって口に入れたところ
直後に顔面蒼白となり、
父親が背部を強打しましたが変化なく
救急車を要請しました。
しかし心肺停止となり病院に搬送し、
気道からブドウが吸引されました。
その後脳死状態となり、
3か月後に死亡されました。

*2歳6か月のおこさんです。
これまでブドウは食べたことが
ありませんでした。
ブドウは皮を剥いた種なしの巨峰で
直径3p大でした。
母親が同席している食卓で
一人でまるごと1個を食べていました。
突然せき込み意識を失いました。
母親は手で掻き出そうとしましたができず、
救急車を要請しました。
救急車到着前に外に出た際、
通行人が児の背後から両腕を腹部に回して
みぞおち付近を両手で強く圧迫する
ハイムリッヒ法を行ったところ、
ブドウが丸ごと出できて意識が戻りました
(発症後約5分)。
病院搬送後は治療を行い軽快しました。

食品安全委員会の報告では、
窒息を引き起こす果実類として、
ミニトマト、リンゴ片、ブドウなどが
挙げられています。
消防庁の報告では、
食品による窒息死の7〜10%が
果実によるものです。
食物による窒息死の年齢は、
5歳未満のリスクが高くなっています。

乳幼児は、
・歯で噛み切る
・臼歯ですりつぶす
機能が未熟であることが要因と思われます。

また、
歩きながら・話しながら食べたり、
早食いなども危険因子です。

乳幼児に対しては、
ある程度の硬さがあり、
球形で外表がスムーズで
口の中を滑りやすい果実・野菜を食べる時は、
1/4以下の大きさに切って与えましょう。

もしも誤嚥した場合、
周囲にいる人は
上記のハイムリッヒ法や
背中を叩く背部即打法
といった救命処置を
知っておく必要があります。