14/11/21「プール喘息」
14/11/21 20:30 
▼タイトル
「プール喘息」

▼本文


昨夜の小児科勉強会で、
プール喘息の症例を提示されました。

この喘息は、
屋内プールで誘発されるものです。
プールには水を消毒するための塩素が入っています。
その塩素と、
汗や体の汚れが水に溶けてできた
アンモニア性窒素が反応して、
気体トリクロラミンが生成されます。
このトリクロラミンが原因物質と考えられています。

屋内プールだとトリクロラミン濃度が上昇しやすく、
その気体を吸って
喘息発作が誘発される場合があるそうです。

この病態は、
欧米では広く認知されつつあるようですが、
日本では先の日本アレルギー学会で
初めて報告されました。

水泳はこれまで喘息のおこさんには
安全で有用な運動として推奨されることが多く、
このプール喘息の報告はこれまでありませんでした。
ただ単に見過ごされてきただけかもしれません。

「屋内プールで泳ぐとなぜか呼吸が苦しくなりやすい」
という経験がある場合は、
この喘息を疑う必要があるかもしれません。

さて、
11/21付のインフルエンザ発生状況が
厚労省から発表されました。

11/10〜11/16の週の全国の定点報告数は0.37。
前週よりもさらに上昇しました。
おそらくこのまま上昇し続けるでしょう。

山形が流行の目安1.0を越える1.15、
大分が0.97と近づきました。
熊本は0.11ですが10/20以降上昇中です。

全国のインフルエンザ様疾患による
休校・学年/学級閉鎖の数も
10/13以降上昇を続けています。
11/10〜11/16の週は合計42施設でした。
熊本県は11/18と11/21、
長洲町の1つの小学校で1クラスずつ学級閉鎖になりました。

いよいよインフルエンザシーズンが到来しました。
身近なところではまだまだという感じですが、
これからは油断できません。

明日から3連休で、
おでかけのご予定のある方もおいででしょう。
くれぐれも人ごみはご用心ください。