14/12/18「ビタミンD」
14/12/18 19:20 
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「ビタミンD」

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早いもので、
12月も半ばを過ぎました。
寒波の影響で寒い日が続いています。
そして、
日の出時刻はこれからも徐々に遅くなり
(本日熊本7時13分)、
明るい時間は短くなっていきます。

ところで、
ビタミンDについては
これまでもお伝えしてきましたが、
骨の成育
免疫作用を高める
そして、
さまざまな病気の予防効果がある
ことが判ってきました。

ビタミンDは食事からの摂取以外にも、
皮膚に紫外線があたることで生成され、
それを我々は体内に吸収して利用しています。

厚労省の調査によると、
現代の日本人の多くは慢性的に
ビタミンDが不足していることが判明しています。
近年、紫外線は有害であるとの考えから
(皮膚癌、シミ・しわの原因となるなど)、
太陽光をなるべく浴びないようにしましょう
という風潮が広まっていることも、
ビタミンD不足の一因と考えられています。

京都大学の研究グループが行った、
京都市内で2006〜2007年の1年間に出生した
新生児1120人を対象とした調査では、
全体の22.0%にビタミンD欠乏症の指標となる
頭蓋ろう
(頭蓋骨を指で押すとピンポン球のようにへこむ状態)
が認められました。
しかも発症には明らかな季節変動が認められて、
胎児の骨量が増加する妊娠後期が
太陽紫外光の弱い冬季であった4〜5月出生児に、
特に頭蓋ろうの頻度が高い結果でした。

妊娠中の女性はビタミンD欠乏に陥りやすく、
特に日本人を含む有色人種ではその危険性が高いことは
以前から指摘されていました。
それに加えて、
日焼け止めの多用
極端に日光を避けるライフスタイルなどが
事態を悪化させている可能性があると考えられています。

そこで京都大学の研究グループは、
@妊娠中・産後も適度な日光浴が必要
 過度な日焼け対策は赤ちゃんの害になる
A赤ちゃんにも短時間でも日光浴をさせる
と提案しています。

次回、
国立環境研究所が報告した、
日本の3か所の地点において、
7月と12月に、
一日に必要なビタミンDを、
皮膚が紫外線を浴びて生成するのに要する
日光照射時間についてお伝えします。

東日本大震災後、
屋内で過ごす時間が長くなってしまったおこさんの中に、
くる病(ビタミンD欠乏や代謝異常により生じる骨の病気)
を発症した方もいらっしゃいます。

ビタミンDの摂取には、
食事からはもちろんのこと、
適度な日光浴も大切です。