14/12/20「日光照射時間」
14/12/20 23:20 
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「日光照射時間」

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皮膚に紫外線が当たることで、
体内でビタミンDが生成されます。

国立環境研究所と東京家政大学のグループが、
健康な生活を送るのに必要不可欠な
成人の1日のビタミンD摂取量の指標とされる
5.5㎍全てを体内で生成するとした場合に
必要な日光浴の時間を、
日本の3地点、
札幌・つくば・那覇について、
7月と12月の9時・12時・15時で検討しました。
日光浴の時間は、
成人の両手・顔を晴天日の太陽光に露出したと
仮定した場合のものです。

以下の各時間(分)は、札幌・つくば・那覇の順です。

*7月
9時;7.4 5.9 8.8
12時;4.6 3.5 2.9
15時;13.3 10.1 5.3

*12月
9時;497.4 106.0 78.0
12時;76.4 22.4 7.5
15時;2741.7 271.3 17.0分

健康な生活を送るために必要な量の
ビタミンDを日光浴だけから得ようとすると、
緯度の高い札幌では、
冬の12月は晴天日の一番太陽紫外線の強いお昼でさえ、
毎日76分というかなり長時間の日光浴が必要となります。

札幌:北緯43°つくば:北緯36°那覇:北緯26°
そして、熊本:北緯32°

熊本の場合、
7月の正午頃は3分ぐらい、
12月の正午頃は20分ぐらいの
日光浴が必要でしょうか。
ただし、この日光浴の時間は晴天の日の場合なので、
曇りや雨の日ではさらに長い時間が必要となります。
また今回の検討は、
両手・顔を露出した場合の時間なので、
他の部位を露出したら時間は短縮されます。

WHOは皮膚に紅斑を起こす最少の紫外線量を、
最少紅斑紫外線量(1MED)と定義しています。
この量以上紫外線を頻繁に浴びることで、
皮膚がんや日光角化症などの危険性が高まりますが、
1MEDに達するまでには、
必要なビタミンDを生成する紫外線照射時間の
約4〜6倍の時間が必要となります。
ですから、
ビタミンD生成に要する日光照射時間は、
皮膚にとって有害にはならないと考えられます