14/12/30「休日・夜間診療」
14/12/30 23:04 
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「休日・夜間診療」

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今年もあと数時間で大晦日となりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
私はいつもの月末と同じく仕事の残務処理に追われています。

先週から一気にインフルエンザが猛威をふるっています。
今週の日曜日に熊本地域医療センターに出動しましたが、
診療は3時間半待ちの方からのスタートでした。
途中救急車が3台入ったのでそちらの対応もしなくてはならず、
思うように外来診察がすすみませんでした。

例年、インフルエンザシーズン中の休日・夜間の診療は
3〜4時間待ちになります。
ここ最近の過去5年ぐらいは、
全国的に12月半ば頃にインフルエンザシーズンに入り、
年明けの新学期が始まってからぐっと感染が拡大していましたが、
今年はもうすでにかなりの流行状況となっています。

それで、年末・年始の医療体制が手薄になっているこの時期、
休日担当の医療機関は大変混雑すると思われます。
インフルエンザ感染を疑う場合はいつもお伝えしていることですが、
体温が38℃前後になってから時間が12時間ほど経過していないと
判定ができない場合がほとんどです。
つまり、発熱してまだ時間がわずかしかたっていない場合、
実際は感染していても検査上は陰性となってしまい
正確な判定ができません(偽陰性)。
慌てる必要はありませんので、
それまではゆっくり休んで少しずつ水分・栄養補給をしましょう。

また、感染性胃腸炎も流行中です。
多くの場合数時間にわたり断続的に嘔吐します。
これは生体の防御反応で、
体が頑張って病原体を体外に出しているのです。
かなり嘔吐してもすぐに輸液が必要な程度の
脱水状態にはならない場合がほとんどです。
ですから「吐き出したからすぐに病院へ」ではなく、
嘔吐している場合しばらくお休みして、
だいだい落ち着いた時点で、
小さじ一杯ずつ程度の水分補給
(できるだけ治療用に作られた経口補水液をお勧めします)
から開始しましょう。
徐々にでいいので水分量を増やしてみて、
また嘔吐するなら一旦お休みして再度やりなおしましょう。
水分を嘔吐しなくなったのを確認してから、
おかゆなどの炭水化物、すりおろしりんごなど、
消化の良いものから、これも一口ずつから開始しましょう。
食事が摂れるようになっても、
しばらくは炭水化物や野菜・果物を中心にして、
動物系の蛋白質や乳製品は控えましょう。

現在、休日・夜間の診療所は大変混雑しています。
待合室にはインフルエンザに感染していると思われる方も
大勢いらっしゃるでしょう。
たいていの救急病院は
いろんな感染症に罹患していると思われる方を
細かに分ける(別室で待機する)ことは難しいです。
発熱していても機嫌はまずまず、
水分・栄養もほどほど摂れて、
おしっこ・うんちもだいたいでているようならば、
少し経過をみてみましょう。

人ごみはくれぐれもご注意ください。