15/6/15「抱っこ紐」
15/06/15 22:45 
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「抱っこ紐」

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おこさんの転落事故は日々絶えません。
当院にも毎月数名の方が転落を主訴に受診されます。

以下は、東京のある基幹病院からの
『抱っこ紐からの墜落事故』に関する報告です。

2011年〜2014年に救急センターを受診した、
50例の『抱っこ紐からの墜落事故』症例を解析しました。

*月齢の中央値;4か月(0〜20か月)

*1か月児13例(26%)で最多

*墜落した高さ;中央値100p(30〜170)
 100p未満;19例
 100p以上150p未満;28例
 150p以上;3例

*抱っこ紐使用者;母44例、父6例

*使用方法;抱っこ37例(74%)、おんぶ13例(26%)

*墜落の原因となった状況
 抱っこ紐の着脱及び調整時;27例(54%)
 紐や留め具の装着不備;11例(22%)
 前かがみの姿勢;7例(14%)
 抱っこ紐からのすり抜け;2例(4%)

*診断;骨折16例(32%)、頭蓋内出血8例(16%)

<考察>
・抱っこ紐からの墜落の殆どは乳児(特に1か月児多い)
・墜落原因の状況は、
 抱っこ紐装着への不慣れさによるものが多い
・比較的高い位置からの墜落事故となる可能性が高く、
 重篤な傷害が発生している

乳幼児は頭が重くかつ激しく動く場合もあり姿勢が不安定です。
正しい使用法を習得して、その使用法を守ることは大切です。
また抱っこ紐の着脱や調整を行う際は、
できる限り屈んだ姿勢でおこなうようにしましょう。
立ったまま、歩きながら、エスカレーターに乗ったまま
などの状況では危険です。