15/7/27「食べる順番療法」
15/07/27 20:05 
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「食べる順番療法」

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成人の糖尿病は増え続けています。
日本糖尿病学会によると、
1997年患者数690万人、予備軍680万人
2012年患者数950万人、予備軍1100万人
と増加の一途をたどっています。
小児では約6500人が治療を受けています。

糖尿病の場合、
食事の内容を考えた食事療法は重要ですが、
近年は食べる順番を考えた療法も重要視されています。
その「食べる順番療法」とは、
野菜を最初に食べる食事法です。

具体的には以下の順番で食べます。
@野菜のおかずを食べきる
(野菜、きのこ類、海藻類)
Aたんぱく質のおかずを食べる
(肉、卵、魚介類、大豆、大豆製品、牛乳・乳製品等)
B最後に炭水化物を食べる
(ごはん、めん類、パンなど)

なぜ野菜が最初かというと、
野菜に豊富に含まれる食物繊維が、
腸管でのブドウ糖やコレステロールの吸収を抑え、
糖尿病や脂質異常症の予防・改善に効果があることが、
これまでの研究で証明されているからです。

さらに、
食物繊維の摂取により、
食物の胃から小腸への排出が遅れるために、
糖がゆっくり吸収されて、
血糖値の上昇も緩やかになるともいわれています。

ごはんを単独で食べるのが辛い場合は、
おかずを少し残して一緒にたべてもいいそうです。

野菜の摂取量は成人では1日350g以上が理想で、
朝・昼食はこぶし1個分、
夕食はこぶし2個分程度を目安にします。
生野菜でなくても、
炒める、煮る、茹でるなども大丈夫です。

また、ゆっくりよく噛んで食べることも重要です。
そうすることで、
消化管から分泌される満腹感を与える
ペプチドYYというホルモンが増加し、
GLP−1という、
血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌を
促すホルモンも増加すると報告されています。
満腹感によって食欲が抑えられ、
食事の摂取量が減ると考えられます。

そして夜遅い時間の食事は避けましょう。
夜9時以降に食べると、
BMAL1というたんぱく質の作用で
脂肪が体内に蓄積されるからです。

最近は日本人の野菜摂取量は激減しているそうで、
厚労省の調査では、
どの年代も1日の目標摂取量に達していないようです。
どうしても野菜が食べられない場合は、
野菜ジュースを利用してもいいそうです。
また自宅で調理できない場合は、
コンビニなどの野菜サラダも活用しましょう。

糖尿病でない方も、
上記の「食べる順番療法」を参考になさってください。