15/7/31「輸送反応」
15/07/31 19:56 
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「輸送反応」

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ライオンやリスなどの哺乳類では、
母親が仔を口にくわえて運ぶと、
仔は丸くなって運ばれやすい姿勢をとります。
これを輸送反応と呼ぶそうです。
ヒトでも母親があかちゃんを抱っこして歩くと泣き止んで
眠りやすくなることは経験的に知られています。

以下、理化学研究所のグループの研究結果です。

生後6ヶ月以内のヒトのあかちゃんとその母親12組に、
母親にあかちゃんを腕に抱いた状態で
約30秒ごとに「座る・立って歩く」を繰り返してもらいました。
その結果、母親が歩いている時は座っている時に比べて、
あかちゃんの泣く量が約10分の1、
自発行動の量が約5分の1に低下し、
心拍数は母親が歩き始めて約3秒程度で顕著に低下しました。
これらの結果から、
母親があかちゃんを抱きながら歩くと、
あかちゃんがリラックスすることが科学的に証明されました。

マウスでも以下の実験を行いました。
母親がマウスの仔を運ぶ動作に真似て、
離乳前の仔マウスの首の後ろの皮膚をつまみあげると、
人間と同様に自発運動や心拍数が低下しました。

これらから、
母親が子を運ぶときには、
マウスでも人でも子が数秒程度で泣き止んで、
おとなしくなりリラックスすることが明らかになりました。

研究チームは今回の成果から、
哺乳類のあかちゃんはおとなしくなる「輸送反応」によって
自分を運んでくれる親の子育てに協力していると考えています。

おむつも替えた、おっぱいもミルクもあげた、
抱っこもしてあやしているのになんで泣き止まないの?
といった時、
抱っこしたままゆっくり歩いてみることも試してみてください。

毎日の子育て本当にお疲れ様です。
そして有り難うございます。