15/8/5「アトピーと黄色ブドウ球菌」
15/08/05 14:57 
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「アトピーと黄色ブドウ球菌」

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8月に入り暑い毎日が続いています。
如何お過ごしでしょうか。

さて、
アトピー性皮膚炎のお肌は、
ブドウ球菌属(皮膚の常在菌)の占める割合が高く、
特に黄色ブドウ球菌が、
皮膚の炎症がないときにも
検出されることが報告されています。

以前も書きましたが、
この黄色ブドウ球菌は皮膚に付着しているだけでは
通常病気を引き起こしません。
しかしアトピー性皮膚炎の皮膚には、
特に再燃時には顕著に増加しているそうです。

つまり黄色ブドウ球菌は、
アトピー性皮膚炎の悪化因子の一つと考えられています。

この菌が皮膚に与える影響はいくつか報告されています。

*菌が産生する酵素が皮膚表面の細胞同士の結合を切断して
 皮膚のバリア機能を破壊する。
*菌の細胞壁の成分が免疫細胞を刺激して、
 サイトカインという物質の産生が高まり炎症を起こす。
*菌の毒素に対する抗体によって免疫細胞が活性化されて、
 痒みや炎症を引き起こす物質が放出される。
*菌の毒素が直接リンパ球を活性化して炎症をおこす。

よって、
この菌を定着させない・増やさないためには
日頃のスキンケアが大切です。

弱酸性の石鹸をよく泡立てて、
その泡で包み込むように手のひらで洗いましょう。
そして石鹸の成分が残らないようによく流しましょう。
かさかさ状態がひどい場合も、
さっと石鹸の泡で洗いましょう。
洗った後はしっかりと保湿を行いましょう。