15/8/16「筋力」
15/08/16 22:26 
▼タイトル
「筋力」

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体力テストの中で、
筋力を測定する代表的なものとして
「握力」が用いられています。
握力は単なる把握動作の力ではなく、
全身の筋力とも非常に相関関係が高い項目です。

文部科学省が毎年実施している
体力・運動能力調査の11歳の握力の推移を
昭和39年から平成25年までみてみると、
昭和39年から昭和60年までは、
男女ともに上昇しています。
昭和60年から平成4年頃までは多少の上下があり、
平成4年以降、
女子は緩やかに低下、
男子はぐんぐんと低下しています。

3、4歳の男子について、
1985年と2008年の握力を比較したら、
後者は前者に比べて著しく低下しています。

この結果を受けて、
専門家は以下のように述べています。

〜今のこどもの筋力がこれだけ低下しているということは、
いかに全身を使って遊び回っていないかがわかります。
幼児期においては特別な筋力トレーニングをする必要は
全くないのですが、
これだけ低下していると、
筋持久力や全身持久力とも関連の深い、
長く動き続ける能力も相当落ちていることが予測できます。
「今のこどもは、すぐに“疲れた〜”と言う」
ということをよく耳にしますが、
この力の低下を見る限り至極当然と言えます。〜

握力だけでなく、
25m走、立ち幅跳び、ソフトボール投げにおいても、
以前に比べて幼児の能力は低下していますが、
とりわけ年少児の低下が著しくなっています。

遊びや運動・スポーツに対する嗜好は幼児期から形成されるので、
幼児期にいかに外遊びや運動遊びの楽しさを体験させ、
活動的なライフスタイルの形成を成し遂げることができるかが重要だと
専門家は述べています。

余談ですが、
映画ミッション:インポッシブル(今夏シリーズ5作目公開中)の
トムクルーズ演じる伝説のスパイ、
イーサン・ハントみたいな卓越した運動能力は決して必要ありませんし、
あんなにハラハラドキドキするような体験も必要ありません。
しかし、
周囲の大人の過保護によるケガへの恐怖心から、
外での遊びをさせなくなっていると、
自己防衛機能を低下させ、
転んでも手さえつけなくさせてしまっている現状があります。
外遊びでの多少のケガはつきものです。
そのことによって学びも生まれます。