15/9/2「顔認知と視覚」
15/09/02 22:48 
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「顔認知と視覚」

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あかちゃんの「顔認知」と「視覚」を通した
脳や心の発達の研究をおこなっている専門家のお話を聴きました。

生まれたばかりのあかちゃんの視力は0.02くらいで
ぼんやりと見える程度です。
しかし、生後8か月頃までの間にいろいろなものを見せると、
目も脳もかなり発達します。
なかでも「顔」はあかちゃんが特別に注目するところだそうです。

生まれたばかりのあかちゃんは、
目の前に顔らしいものがあったら注目します。
これはある意味、
本能の働きといえて、
目がふたつ、
その下に鼻や口があるという、
顔の基本構造が鍵となるそうです。

あかちゃんは生後4か月頃には
視界に入るものの形が認識できるようになり、
生後5,6ヶ月頃にかけて
お母さんの顔をしっかりとわかるようになり、
明確に記憶できるようになるそうです。
その後、生後6〜8か月にかけて
奥行のある立体感を感じられるようになります。

もちろんお母さんの顔だけではなく、
多くの時間あかちゃんと接した人が、
あかちゃんにとって馴染みのある好きな顔になります。

顔はあかちゃんと触れ合うための大きな役割をもっていて、
あかちゃんとのコミュニケーションは、
まず顔を通して、
「この人はお母さん」
「この人は大切な人」
とあかちゃんが認識することから始まるそうです。

顔の次にあかちゃんが注目するのは「動き」だそうです。
あかちゃんは動くものにとても敏感です。
例えば、
あかちゃんに向かって
ボールが迫ってくるような状況では目を閉じます。
これは身を守ろうという防衛反応が働いたことによるものだそうです。
「動き」はあかちゃんの注目を引く効果があり、
形・顔を動かしたり、
様々な対象に動きを加えると、
対象を学習しやすくなるそうです。
そして対象を動かして注目させることは、
あかちゃんにとって視力を鍛えるのに効果的な働きとなるそうです。

あかちゃんに対する時、
にぎやかに話しかけたり、
いないいないばあをしたりして、
表情をつけたりにぎやかな音声によって
あかちゃんはその顔に注目し、
自然とその顔を覚えていくことになります。

そこで、
あかちゃんの顔認知能力と視覚を活かした
コミュニケーションのポイントを提示されています。

@大人からたくさん話しかける

A真正面から目を見て語りかける
  新生児のあかちゃんでも目に敏感。
  生後5か月頃のあかちゃんは正面の顔しか認識できない。
  横向きの顔を顔として見ていない可能性がある。
  よそ見の視線では顔を記憶しにくい。

Bこどもとのふれあいは短時間でも毎日続ける
  表情を使ったコミュニケーションは、
  生後間もない頃から蓄積していくことがよい。

Cいつも笑わなくて大丈夫
  いろいろな表情があることが大切。

あかちゃんの視界に入っている周囲の大人の顔が
スマホやTVを見ている横顔では、
あかちゃんは顔として認識してくれず、
信頼関係が築けないようです。