15/10/12「日本人の食事摂取基準」
15/10/12 20:44 
▼タイトル
「日本人の食事摂取基準」

▼本文


「日本人の食事摂取基準」は
厚生労働省により5年毎に改定されています。
その策定検討会の委員の先生の論文から抜粋します。

*減塩
 ナトリウムの目標量(上限)がさらに低くなり、
 成人男性8.0g/日未満、成人女性7.0g/日未満になった。
 (世界保健機関は成人男女とも5.0g/日以下推奨)
 減塩することで血圧が低下することは明らかである。
 小児でも目標量は減少している。

*妊婦・授乳婦で留意すべきエネルギー・主な栄養素
@エネルギー 
 近年の妊婦のエネルギーは非常に不足している。
 平成23年度国民健康栄養調査によると、
 妊婦の一日の平均摂取エネルギー;1745±44.1kcal/日
 2015年版の推奨カロリー
 妊娠初期;2050 kcal/日
 妊娠中期;2250 kcal/日
 妊娠後期;2450 kcal/日
Aカルシウム
 18歳以上の女性のカルシウム推奨量;650r/日
 平成23年度国民健康栄養調査によると、
 妊婦の摂取量;406±228mg/日
 授乳婦の摂取量;511±257mg/日
 妊婦・授乳婦ともに著しく少ない。
B鉄
 平成23年度国民健康栄養調査によると、
 一日の鉄摂取量(mg/日)は
 妊婦;7.5±4.1
 授乳婦;7.7±3.6
 2015年版の推奨量
 妊婦
 18〜29歳 初期=8.5 中・後期=21.0
 30〜49歳 初期=9.0 中・後期=21.5
 授乳婦
 18〜29歳 8.5
 30〜49歳 9.0 
 妊婦・授乳婦ともに不足している。
Cヨウ素
 ヨウ素の摂取不足および摂取過剰は、
 甲状腺機能低下の要因になる。
 成人女性の許容上限3000μg/日
 妊婦の許容上限2000μg/日
 昆布茶、昆布だし、インスタント昆布うどんだし
 などに多く含まれている。

*小児のビタミンD
 0〜5か月児の2015年版推奨量5.0μg/日
 母乳摂取量と母乳含有量から算定した、
 実際の摂取量は約2.4μg/日。
 近年、母乳栄養児に
 くる病が高頻度に発症することが問題になっている。
 ビタミンDは日光照射を受けると皮膚で合成される。
 適度な日光照射も大切である。

国民健康栄養調査によると、
20歳代女性のやせの者の割合は、
平成15年〜25年の10年間で21〜24%で推移しています。
平成25年のやせの者の割合は、
第1位=20歳代女性;21.5%
第2位=30歳代女性;17.6%
となっています。
65歳以上の低栄養傾向の高齢者の割合(男女合計)16.8%
を越えています。
ちなみに、
70歳以上のやせの者の割合は、
男性6.2%、女性11.9%

妊婦・授乳婦の栄養問題はこどもにも影響を与えます。
日々の栄養について振り返ってみましょう。