15/11/3「レム睡眠」
15/11/03 22:07 
▼タイトル
「レム睡眠」

▼本文


11月に入りました。
本日11月3日の
日の出時刻6:36
日の入り時刻17:25
明るい時間が随分短くなってきました。
秋の夜長、
ついつい夜更かしをしていませんか。

さてこのほど、
筑波大学と理化学研究所の研究チームが、
夢を生み出すレム睡眠の意義を科学的に証明しました。

ヒトの睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があります。
この二つの睡眠は、
複雑な脳を持つ哺乳類と鳥類だけだそうです。
よってこれら二つの睡眠は、
脳の高等な機能に関わると考えられてきました。
レム睡眠は新生児期や学習直後に多いことは
知られていましたが、
具体的な役割は分かっていませんでした。

研究チームは、
レム睡眠を操作できる世界初の実験マウスを作製し、
レム睡眠の効果を解析しました。

人為的にレム睡眠を無くしたマウスでは、
次第にノンレム睡眠中のデルタ波が弱まり、
逆にレム睡眠を増やすとデルタ波は強まりました。

デルタ波とは、
哺乳類と鳥類に固有の脳波(脳表面から観測される電気的信号)で、
神経細胞同士の連絡であるシナプスを強め、
学習や記憶形成を促す作用が知られています。
このデルタ波はノンレム睡眠中に最も生じます。

よって今回の実験結果から、
レム睡眠はデルタ波を強める作用があることが判明し、
この作用を介して学習や記憶形成に貢献することが示唆されました。

ヒトの脳の活動は主に、
覚醒・レム睡眠・ノンレム睡眠の三つに分けられます。
寝る間も惜しんで何か活動してないともったいない、
と考えている人もいらっしゃるかもしれませんが、
動物は眠らないと死んでしまいます。

今回の実験から、
レム睡眠にはデルタ波と呼ばれる脳回路の再編成に重要な神経活動を、
ノンレム睡眠中に誘発する役割があることが判明し、
この作用を介して、
レム睡眠が脳の発達や学習に貢献する可能性が明らかとなりました。

秋の夜長を利用して、
十分な睡眠をとりましょう。