15/11/22「喫煙と糖尿病」
15/11/22 21:33 
▼タイトル
「喫煙と糖尿病」

▼本文


11月14日は世界糖尿病デーでした。
国際糖尿病連合の発表では、
世界の糖尿病人口は爆発的に増加していて、
2015年現在で有病者数は4億1500万人で、
日本の現在の成人の糖尿病人口は720万人で、
世界の中で9番目に多い国だそうです。

厚労省による平成26年人口動態統計によると、
平成26年1年間の糖尿病による死亡数は1万3669人でした。

喫煙と糖尿病の関係ついては、
旧大阪府立健康科学センターの中村正和先生によると、
喫煙は糖尿病発症リスクを高め、
治療を妨げるとともに合併症を増やしているそうです。

ある研究によると、
喫煙者では非喫煙者に比べてブドウ糖処理能が45%低下し、
その程度は喫煙本数が増えるほど大きいものでした。
実際インスリン治療を行っている糖尿病患者では、
喫煙時には非喫煙者よりも必要とするインスリン量が
15〜20%程度多いことが報告されています。

また大阪府立成人病センターの
2型糖尿病患者の15年間の追跡データによると、
男性では非喫煙者に比べ喫煙者の総死亡リスクは
1.45倍上昇していました。
海外のデータからは禁煙後10年以内は
高まったリスクはなかなか低下しにくいこともわかっていて、
より早めの禁煙が大切といわれています。

さらに喫煙する糖尿病患者では心血管死亡リスクが高く、
合併症の腎症の悪化を促進させることもわかってきました。

そして喫煙は、
糖尿病による神経障害や網膜症の発症リスクも
高めることが報告されています。

タバコの害については
これまでもこのブログでお伝えしてきました。
喫煙者だけではなく、
間接的に喫煙している受動喫煙者でも糖尿病発症リスクは、
非喫煙者の1.81倍高いことが報告されています
(喫煙者のリスクは1.99倍)。

タバコの煙が身近にある方は十分ご注意ください。