16/3/28「運動器検診」
16/03/28 20:09 
▼タイトル
「運動器検診」

▼本文


平成28年度より、
学校定期健診の中に「運動器検診」が組み込まれます。

運動器とは、
骨・関節・筋や神経など身体を動かす器官の総称です。

近年、
成長期の運動器・スポーツ傷害(外傷・障害)が
問題になっています。
こどもの運動器は未発達なため、
過度の運動や誤った運動方法で
スポーツ障害を起こすことがあります。
また運動不足の場合、
基本的な運動能力が低下していて、
大人になっても運動不足になりやすいです。

両者とも、
ロコモティブシンドロームへつながる可能性があります。
ロコモティブシンドロームとは、
運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態で、
進行すると要介護のリスクが高くなります。

つまり、
ロコモティブシンドロームは高齢者の問題ではなく、
こどもの頃からの対応が必要です。

先日、
宮崎大学整形外科の先生の講演を拝聴しました。
宮崎県では2007年から学童期運動器検診を実施していて、
2014年度の健診結果は、
異常なし;6583名
異常あり;1456名(16%)
異常の内容は、
脊柱変形・下肢変形が最も多く、
機能不全として、
しゃがみ込み動作不可能を7.7%に認めました。

運動器検診では以下の項目を診ます。
@背骨が曲がっていないか(側弯症)
A腰を曲げたり反らしたりすると痛みがあるか
B肩・肘関節に痛みや動きの悪いところがあるか
 *両腕を挙上して左右の耳につくか診る
 *両腕を肩の位置まで上げて、
  身体の前に左右ともにまっすぐ伸ばせるか診る
C片脚立ちが5秒以上左右ともにできるか
D両踵を床につけてしゃがむことができるか 
 (このとき、両腕は前にのばす)

こどもの体力は昭和60年頃をピークに減少しています。
宮崎県では平成16年度から小中高校で
体力向上プランを実施して、
全般的に体力が全国平均以上になったそうです。
日頃からの継続的な運動が重要と話されました。

幼児期から、
遊びの中にいろんな動きを取り入れて、
強い身体を自然に作っていきましょう。