16/5/9「新潟中越地震から」
16/05/09 20:23 
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「新潟中越地震から」

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皆様、
今日も一日お疲れ様でした。

ゴールデンウィークも終わり、
明日からは多くの学校が震災以来再開されます。

まだ多くの方が避難所で生活され、
ライフラインが復旧していない地域もあり、
不自由な生活を続けていらっしゃいます。

また相変わらず余震が続いていて、
不安がぬぐえない毎日です。

そんな中、
おこさんの様子はいかがでしょうか。

2004年に新潟県中越地方で
M6.8、最大震度7の直下型地震が発生しました。
被災したおこさんを持つ保護者を対象に
アンケート調査が行われました。
調査は地震後1、3、6、12か月後にそれぞれ行われました。

アンケートの質問項目です。
*地震の後、お子様に現在も次のような変化がありますか?
@親にしがみついて離れなかったり後追いが激しくなった。
A以前に比べて、なかなか寝付けなかったり、
 夜中によく目をさましてぐずる。
B必要以上におびえたり、小さな物音にびっくりしたりする。
Cそわそわ落ち着きがなくなったり、集中力がなくなった。
D表情がなくぼーっとしていることが多くなった。
E甘えが強くなり、わがままになった。
Fすぐ怒ったり、興奮しやすくなった。
G特定の場所を怖がるようになった。
H次の項目で地震後目立つようになったことがありますか?
 a.頭痛b.腹痛c.吐き気d.めまいe.おしっこが近いf.おもらし

対象児は0歳から中学生までで、
3歳から6歳未満の幼児が最多でした。
1つでも陽性所見があれば陽性とし、
地域毎(被災状況の程度が違う)に比較しました。

陽性率は被害が大きかった地域ほど高く、
被害が甚大だった地域は、
1か月後約70%、12か月後約30%弱でした。
被害が小さかった地域は、
1か月後約15%、12か月後ほぼ0%でした。
どの地域も地震直後が最高で、
経時的に減少しました。
しかし、
被害が大きかった地域では
12か月ご約3割が陽性でした。

平均陽性数は、
被害が甚大だった地域は、
1か月後約2.5、12か月後約0.5でした。
被害が小さかった地域は、
1か月後約0.2、12か月後ほぼ0でした。

被害が大きかった地域は、
身体症状よりも精神症状の割合が高く、
中でも、
1位;退行(約40%)
2位;分離不安(約37%)
3位;過敏(約35%)
が高率でした。
ただし、
全ての項目で経時的に減少しました。

PTSDの症状のうち「過敏」を示すものが多く、
また閉所恐怖症、
特に「トイレに行けない」
という訴えが多かったようです。

身体症状では、
「食欲不振」
「体調を崩しやすい」
などの訴えが多かったようです。

おこさんの話に耳を傾けて、
抱きしめて大丈夫と声をかけてあげましょう。

明日もお元気で。
おやすみなさい。