17/2/11「正義」
17/02/11 16:55 
▼タイトル
「正義」

▼本文


日本上空には
今季最強の寒気が流れ込んでいる模様で、
昨日は本当に寒い一日でした。
熊本市の最高気温は4.6℃。
冷蔵庫の中にいるのと同じぐらいでした。
建国記念日の今日は、
風は冷たく、
気温も14時で6.7℃までしか上がっていませんが、
昨日に比べたら日差しの温もりがいささか感じられます。
そんな休日の昼下がり、
皆様いかがお過ごしでしょうか。

1/30〜2/5の週の熊本県のインフルエンザ流行状況は、
定点数40.46。
前週が40.51でしたので横ばいの状況です。
流行のピークに達したと考えてよいでしょうか。

全国をみると、
1/30〜2/5の週の定点数は38.14。
前週が39.41だったので、
全国的にもピークに達しているのでしょう。

熊本県の現在のインフルエンザの検出状況は、
A型96.3%、B型2.8%と圧倒的にA型が占めています。
当院でもこれまで全てA型でした。
昨日、
今季初のB型をお一人確認しました。
例年A型の後からB型が流行してくる傾向にありますので、
今後しばらくは両方の型の動向に注意が必要です。

さて話は変わり、
弱者を強者から守る行為は
一般的には「正義」の行為として捉えられています。
これまでの研究では、
正義の行為がみられるのは就学前頃であることが示されてきました。
ヒトはいつ頃からこうした正義の行為を肯定し始めるのか、
その起源についてはわかっていませんでした。

このほど、
京都大学の研究グループが6か月児を対象に行った実験の結果、
弱者を助ける正義の行為を肯定する傾向が、
発達の早期にすでに認められることを明らかにしました。

*検証の方法

対象;6か月の乳児
攻撃者;水色の丸いエージェント
被害者;黄色の丸いエージェント

攻撃者が被害者を攻撃する場面を目撃した四角いエージェントが、
両者の間に入って攻撃を防ぐ映像と防がない映像を交互に見せた。
実物の四角いエージェントを乳児の前に提示し、
どちらの四角いエージェントの人形に手を伸ばすかを調べた。
その結果、
乳児は攻撃を止めるエージェントをより多く選択した。

またその他の実験から、
第三者の介入行為(攻撃を防ぐ行為)をポジティブに評価し、
「正義の行為」として認識していることが確かめられました。
そして、
行為の意図を考慮して正義の行為の評価を行う能力は、
生後6〜10か月の間に発達することを明らかにしました。

研究グループは今後、
正義を肯定する傾向がどのような要因により発達するのか、
その後発達するより高次な正義感とどのような関係にあるのか、
を解明し、
現代社会の課題である
「いじめ」の本質的な理解と
その解決に向けた議論につなげたいとしています。

日々凶悪な犯罪が発生し、
世界では争いが絶えません。
そして身近な重要な問題であるいじめや虐待。

おこさんが本来持っている
温かな心がいつまでも育まれていきますよう、
周囲の大人は温かな眼差しで見守っていきましょう。