18/8/21「発育性股関節形成不全」
18/08/21 20:23 
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「発育性股関節形成不全」

▼本文


台風19、20号が近づいています。
強風対策はお済みでしょうか。
明日から金曜日にかけては雨模様の予報です。
くれぐれもお気を付けください。

さて、
先日小児整形外科の先生の講演を聴きました。
テーマは「股関節脱臼」についてでした。
これまでは先天性股関節脱臼と言われていましたが、
最近は発育性股関節形成不全と呼ばれるようになりました。

病態としては、
周産期に緩みのある赤ちゃんの股関節が、
下肢を伸ばした位置でおむつをするなどの
間違った育児習慣によって外れていくことが多いそうです。
つまり、
生まれつき股関節が脱臼していることは少なくて、
脱臼準備状態で生まれ、
その後の要因に影響を受けて脱臼へ増悪していく病気です。

赤ちゃんの抱き方やおむつの当て方など、
赤ちゃんの扱い方を注意することで発生を減少させ、
悪化を防止することができます。

そして、
以下の項目が複数あてはまる場合は要注意です。

1)向き癖がある
2)女の子(男の子より多い)
3)家族に股関節の悪い人がいる
4)逆子(骨盤位)で生まれた
5)寒い地域や時期(11月〜3月)に生まれた 
 (脚を伸ばした状態で衣服でくるんでしまうため)

*歩き始めるまでの注意点

@仰向けで寝ている時はM字開脚を基本に自由な運動を
 
 両膝と股関節を曲げてM字型に開脚した状態を基本として、
 自由に脚を動かせるようにする。
 両脚を外から締め付けて脚が伸ばされるような、
 きついおむつや服はさける。

A抱っこは正面抱き「コアラ抱っこ」をする
 
 正面から抱くと、
 両膝と股関節が曲がったM字型開脚となる。
 正面抱き用の抱っこひもの使用は問題ない。
 横抱きのスリングは開脚の姿勢がとれず、
 また両脚が伸ばされる危険がある。

B向き癖がある場合は反対側の姿勢に注意
 
 向き癖方向と反対側の脚が立て膝姿勢にならず、
 外側に開脚するようにする。
 向き癖側の頭から身体までを
 バスタオルやマットを利用して少し持ち上げる。

『股関節脱臼の予防と早期発見』についての以下の動画も御参照ください。
https://shirumirumamoru.info/sickness/video02.html

将来、
変形性股関節症につながらないためにも、
上記の点を見直してみましょう。