20/6/9「結核」
20/06/09 20:03 
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「結核」

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本日の熊本市の気温は32.4℃。
真夏の暑さでした。
予報では明日からしばらく
曇り&雨のお天気のようで、
梅雨入りの模様です。
雨の日は視界が悪くなりやすいので、
車の運転にはどうぞご注意ください。

さて新型コロナウイルスは、
熊本では現在落ち着いていますが、
東京などでは感染が続いています。

ところで、
世界の3大感染症をご存知でしょうか。

エイズ・結核・マラリアの3つです。
この3つの感染症は、
感染拡大を制御できず
世界規模で長期にわたり流行している病気です。

そのなかの結核について。

世界人口の約3分の1が
結核菌に感染していると言われています。
感染したすべての人が発病するのではなく、
そのうち1〜2割のみが発病すると言われています。
しかし、
糖尿病や栄養失調、
エイズによる免疫低下など
健康問題を抱える人、
高齢者、
生活困窮者など
社会的経済的弱者は
発病リスクが高いとされています。

日本では2018年、
新規結核患者数15,590人
罹患率12.3(人口10万対)
死亡者2,204人
死亡率1.8(人口10万対)

欧米諸国と比べて
まだ日本は罹患率が高く、
「結核の中蔓延国」
と言われています。

日本の小児の結核発生状況は、
2018年0〜14歳の結核患者は51人。
アメリカと年齢別の結核罹患率を比較すると、
全年齢では日本の方が高いのですが、
0〜14歳では日本の方が低くなっています。
これは日本において
BCGワクチンが広く接種されている効果だと
考えられています。

新型コロナウイルス感染症に関して、
幼少期のBCGワクチンの接種の有無が
各国の患者数や重症者数の
多寡に関与しているのではないか
という仮説が提唱されています。

これを受けて、
日本ワクチン学会は見解を表明しています。

*「新型コロナウイルスによる感染症に対して
 BCGワクチンが有効ではないか」という仮説は、
 いまだその真偽は科学的に確認されたものではなく、
 現時点では否定も肯定も、
 もちろん推奨もされない。

*BCGワクチン接種の効能・効果は「結核予防」であり、
 新型コロナウイルス感染症の
 発症および重症化の予防目的ではない。
 また、主たる対象は乳幼児であり、
 高齢者への接種に関わる知見は十分とは言えない。

当院でもBCGワクチンは
定期接種対象者に実施しております。
ただ中には、
定期接種対象者で接種を拒否する方も
極少数ですがいらっしゃいます。

結核は日本は勿論、
世界でも3大感染症の一つとなって猛威を振るっています。
BCG定期接種対象者は接種をして感染を予防しましょう。