20/7/21「虫刺症」
20/07/21 19:58 
▼タイトル
「虫刺症」

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新型コロナウイルス感染症は
再び全国的に広がっています。
熊本市では昨日、今日と一人ずつ感染が確認されました。
感染防止対策を引き続き行いましょう。

さて、
この季節は様々な虫達が屋内外で活動しています。
虫達と仲良く暮らせたらいいのですが、
時として虫に刺されたり噛まれたりして、
痛い・痒い思いをしたり、
蕁麻疹がでたり、
悪心・嘔吐・呼吸困難などの全身症状がでたり、
アナフィラキシーショックに至ることもあります。

虫刺症について医学書から抜粋してみます。

*虫刺症は次の3つ

@刺咬
 刺咬性節足動物(ハチ、ムカデ、クモなど)の毒針や毒牙によるもの

A吸血
 吸血性節足動物(カ、ブユ、ヌカカ、アブ、ノミ、トコジラミ、ダニなど)
 による吸血

B接触性皮膚炎
 有毒鱗翅(りんし)類(ドクガ類やイラガ類)の幼虫の有毒毛との接触

*皮疹の発症機序

@刺咬(ハチ、ムカデ、クモなど)
 皮膚に注入された毒成分による刺激性炎症反応とアレルギー性炎症反応

A吸血(カ、ブユ、ヌカカ、アブ、ノミ、トコジラミ、ダニなど)
 吸血の際に注入された唾液成分によるアレルギー性炎症反応

B接触性皮膚炎(ドクガ類やイラガ類)
 ドクガ類の毒針毛に含まれる毒成分によるアレルギー性炎症反応
 イラガ類の毒棘に含まれる毒成分による刺激性炎症反応

*症状

@刺激性炎症の場合
 刺咬・接触直後に生じる疼痛が主症状

Aアレルギー性炎症の場合

・即時型反応
 刺咬・吸血・接触の直後〜15分で
 局所に痒みを伴う膨疹・紅斑を形成
 全身症状(蕁麻疹、嘔吐、呼吸困難など)が出現し、
 アナフィラキシーショックに至ることもある。

・遅延型反応
 1〜2日後に痒みを伴う紅斑・丘疹・水泡などが出現

症状は、
体質、年齢、被害を受けた頻度、虫の種類によって、
生じ方が異なる。

*治療

・刺激反応による疼痛に対して
 局所冷却、局所麻酔薬の注射

・アレルギー反応に対して
 程度に応じて抗ヒスタミン薬内服、ステロイド内服・外用

・アナフィラキシーショックに対する処置

*予防

・刺す虫を肌に寄せ付けない

 「虫除け」の薬剤としてディートがよく用いられ、
 市販の虫よけスプレーなどの主成分になっている。
 この薬剤による皮膚障害はきわめて少なく、
 これまでにかぶれたという報告はほとんどない。
 全ての人に全くアレルギーが生じないわけではないが、
 本剤はかなり安全といえる。
 ただし、
 目の周囲や粘膜、傷口などには用いないように指示されている。
 各製品の使用上の注意をよく読んで正しく使用する。
 
 虫除けの効果は約3時間程度なので、
 長時間の野外活動では何度か塗布を繰り返す必要がある。
 本剤は蚊、ノミ、ブユ、ダニなどの吸血性の虫には
 それなりの忌避効果が期待できるが、
 ハチの攻撃を防御する効果はない。
 ハチは自分たちの巣を守るために必死で攻撃する習性があるので、
 まずはハチの巣にむやみに近づいたり、いたずらしない。
 
・ハチに刺されないようにするための予防法
1.ハチの巣に近づかない
2.巣のそばで激しく動いたり、大声をだしたりしない
3.家屋内に営巣させない 巣の小さなうちに取り除く
4.黒い衣服、花柄やヒラヒラした衣服を避ける
5.香水、ヘアトニックなど芳香のある化粧品を用いない
6.ジュースなど甘味食を飲食しない
7.車や家に入ったら明るい方の窓を開けて出るのを待つ
 だめならエアゾール式の殺虫剤を撒く
8.洗濯物やふとんを取り込むとき注意する
9.防蜂網や防護手袋を着用する

夏休みに山や海などで野外活動をなさる場合は、
特にご注意ください。
お出かけの際には念のため、
お手持ちの抗ヒスタミン・ステロイド軟膏
を持参されることをお勧めします。