20/7/26「水難事故」
20/07/26 18:04 
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「水難事故」

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今日の熊本市は午前中雨がパラパラ降りましたが、
午後からは回復しました。
予報では27日(月)までは雨模様。
それ以降は梅雨が明け、
本格的な夏を迎えるようです。
そして最高気温35℃付近の猛暑日になるかもしれません。
熱中症対策が必要です。

さて、
暑い夏は水遊びも本格化します。
楽しくかつ安全に行えますように。

しかし水難事故は毎年起こっています。
警察庁によると、
2019年の水難事故発生件数は1298件。
死者・行方不明者は695人・内こども30人。

こどもの死因の上位は毎年不慮の事故ですが、
2010〜2014年の、
こどもの不慮の事故の第1位は「交通事故」です
次に多いのが「溺水(屋外;海・川・池等の自然の水域)」です。
交通事故の死者数は年々減少していますが、
海、河川・湖沼等ではこの10年程変わっていません。

2003〜2019年の場所別の
中学生以下(こども)の死者・行方不明者数
の約6割は河川や湖沼池です。
第1位;河川 47.3%
第2位;海 23.1%
第3位;湖沼池 13.5%

これからは河川財団の調査結果です。

*水難事故の発生時期

 全体(こどもから大人まで)の水難事故は
 7〜8月の2か月に年間事故件数の
 約50〜60%が集中して発生しています。

*水難事故の発生時間

 水難事故の過半数は午後に発生していて、
 特に14〜15時前後をピークに、
 13時〜17時に集中しています。

 この時間帯で考えられる原因は、
 暑さ・疲労・昼食後の眠気・飲酒等が挙げられます。

*河川工作物付近は危険個所

 河川においては、
 河川工作物付近に急な深みや複雑な流れなどがあり
 危険個所となっています。

 河道内の工作物付近で起こった事故は、
 2003〜2019年に発生した
 3018件の水難事故のうち484件(全体の16%)。

 工作物の種類としては、
 取水堰・頭首工が最も多く(工作物付近の事故の約3割)
 次いで橋梁、橋脚、落差工・砂防堰提付近となっています。
 この様な場所で遊ぶのは避けましょう。
 (取水堰・頭首工などがどういうものかはネット画像で確認してください)

*川遊びに見受けられる事故パターン

・幼児や小学校低学年
 一人で遊んでいて転落した場合、
 初期対応や救助行動ができないケースが多く、
 転落が死亡事故に直結した事例が多い。

・中学生
 転落事故は少なく川遊びや遊泳中の事故が増加。
 危険個所や増水時の川遊びによる事故もしばしばみられる。

*同行者の有無別の事故件数(2003〜2019)

 同行者あり(グループで行動);62.8%
 同行者なし(単独行動);35.4%

*同行者の構成別にみた水難事故件数(全体1896件)は、

 第1位;大人のグループ(717件)
 第2位;家族連れ(396件)
 第3位;中学生以下のこどもだけのグループ(314)
 
 複数人だと安全と思いこんだり油断したりできません。
 そして家族連れなど大人に引率されたグループでも
 事故が多く発生しており、
 大人がいても安心ではなく、
 大人・こども共に安全管理を行いましょう。

*川は真水に近い

 真水1に対する人の比重(空気を肺に吸い込んだ状態)0.98
 そのため体の2%程度が水に浮くことになります。
 つまり、
 バランスをとって仰向けになり、
 2%を口と鼻に集中させる必要があります。
 それには日頃の訓練が必要です。

 しかし、
 川には流れがあり、
 垂直方向に引っ張られる流れが発生していたり、
 水面下に様々な複雑な強い流れがあり、
 バランスをとるのは困難です。

*ライフジャケット着用は
 呼吸を確保する最も効率的で効果的手段

 溺れた時に助けを呼ぶと、
 肺の空気が抜け浮力が減少し体が沈みます。
 また倒立した状態で手を挙げると頭部が水面下に沈みます。

 頭が水面上に出ると呼吸が容易にできます。
 そのためにはライフジャケットを正しく着用しましょう。
 手が自由になり助けも呼べます。

*水の中は体温が奪われやすい

 川の水は体温よりかなり低く、
 熱伝導率は空気の20倍以上のため熱が奪われやすく、
 流れの中では急激に体温が奪われ、
 低体温症を起こすことがあります。
 体温低下をできるだけ予防することが重要です。
 (乾きやすい服装やウエットスーツ等を着用)

*自分が流されたら

 @立たない 
 浮く、または泳ぐ
 
 A元いた場所に戻らない
 戻ろうとすると流れに逆らうことになりリスクが増す

 B流れの穏やかな場所へ
 下流側を目視し、流れの穏やかな場所を見つけて避難する。

水遊びに出かける場合は、
川の水位情報や過去に起きた水難事故の発生状況を確認しましょう。
そして、
現地及び川の上流地域の気象情報も必ず確認しましょう。