20/8/8「温度・湿度」
20/08/08 18:10 
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「温度・湿度」

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昨日は朝方小雨が降って、
幾分か暑さが和らぎホッとしましたが、
その後は日が差して暑さが戻りました。
本日も強い日差しのもと33.5℃まで上昇し、
湿度は60〜80%と高めで蒸し暑くなっています。
皆様如何お過ごしでしょうか。

気象庁のデータをみると、
地球温暖化の原因である
温室効果ガスのひとつ二酸化炭素は、
日本の観測点では年々その濃度は増加する一方で、
地球全体の濃度も増加の一途をたどっています。
この暑さからは、
もはや逃れることは難しいようです。

そんな中、
理化学研究所とダイキン工業が
快適で健康な空間づくりに向けた共同研究を行っています。

今回、
夏季のオフィス環境における
快適性
疲労改善
に有効な温度・湿度を検証しました。

温度・湿度が人に与える影響について、
ヒトの疲労への影響に着目し、
・心理的評価
・心拍変動から推定される自律神経活動などの生理的評価
これらを分析し検証を行いました。

その結果、
室温28℃でも湿度を55%以下に保てば快適性が向上し、
さらに40%以下であれば疲労も軽減できることが実証されました。

*方法

・試験環境
 温度4条件(24、26、28、30℃) 
 湿度3条件(40、55,70%)
 これらを組み合わせた計12条件を設定。

・健康成人対象(男57名 女57名 年齢40.6±12.5歳)

・疲労負荷をかける認知課題を与え、
 10分ごとに疲労感や快適性についての心理的評価を行った。

・試験中は携帯型の心電計を装着し、
 疲労に伴う心拍変動を常時記録。

・心拍間隔の周波数解析を行い、
 疲労に伴う自律神経バランス状態を推定。

*結果

・心理的な影響の検証

 〇体感温度
 30℃条件では湿度を低くするほど体感温度は低く感じられた。
 28℃条件では湿度を55%以下に調節すれば、
 より涼しく感じられた。

 〇不快感・疲労感
 快適性;26〜30℃までの条件では湿度を下げると不快感が軽減される。
 疲労感;室温28℃・湿度40%の条件で顕著な低下がみられ、
     55%以下でも軽減傾向が見られた。

・生理的な影響の検証
 
〇自律神経活動
 室温上昇に伴い自律神経評価値も有意に上昇。
 つまり室温上昇に伴って
 体温調節機能を司る自律神経系への負荷も増加している可能性。

 夏季に想定される温度環境(24〜30℃)では
 湿度を70%から40%に下げることで、
 心拍数に関する有意な抑制効果が見られた。
 自律神経指標については個人差が大きく、
 低減傾向のみが確認できた。

 これらの結果から、
 室温のみならず湿度を調整することで
 心拍数の上昇が抑えられ、
 身体への負荷を下げられる可能性が示された。

・性別による違い
 
 最も快適性が高くなる温度
 男性;24〜26℃
 女性;26℃ 

 女性は28℃でも湿度を55%以下に抑えることで、
 室温26℃の時と同等の快適性を感じられた。

 男性は28℃で調湿するより
 温度を24〜26℃に下げる方がより良い評価が得られた。
 
 湿度40%では、
 女性は温度24℃で評価が悪く、
 男性は不快感の増加はなかった。

 この結果から、
 男女の基礎代謝の違いにより、
 女性の場合は24℃まで下げると
 寒さで不快に感じる人が増えることが確認された。

今回の結果より、
調湿機能の付いたエアコンの利用
除湿器を活用する
などで湿度を調節することで快適な空間にすることが期待でき、
湿度調節が難しい場合は室温26℃まで下げると
快適性の向上・疲労軽減
の効果が見込まれるとしています。

今回の検証は、
空調が保たれた室内で一定時間を過ごす
オフィスなどを想定したものです。
グループでは実生活の場面を想定した試験も行っていて、
その結果もこれからでてくる模様です。

乳幼児を対象にした検証はされていませんが、
おこさんの場合は体温調節が未熟ですので、
冷えすぎにはご注意ください。
また乾燥しすぎにもご配慮ください。

さて、
本日の写真は
一昨日3歳半健診に
北部保健センターに自転車で向かう途中に撮った
坪井川遊水地公園です。

緑に覆われて、
その緑から酸素をいっぱい与えてもらっているのでしょうが、
それ以上に二酸化炭素が空中に充満しているのでしょうね。
なんとか温暖化が抑えられたらいいのですが。

コロナのこともあり、
人混みは避けて、
緑に囲まれた清涼感の感じられる所に
お出かけしてみてはいかがでしょうか。