20/10/8「日本食パターン」
20/10/08 18:31 
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「日本食パターン」

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10月に入り朝晩がぐっと涼しくなりました。
6日は最低12.8℃まで下がり、
長袖シャツで通勤しました。

秋も日ごとに深まっています。
食欲の秋。
皆様、
秋の味覚を楽しんでいらっしゃいますか。

さて、
食事と病気に関しての論文が7月に発表されました。
国立がん研究センターからの報告です。

1995年と1998年に日本の11の保健所管内(北は岩手から南は沖縄まで)在住の
45歳〜74歳に食事調査アンケートを行い、
回答した男女約9万人を2016年まで追跡した調査結果に基づいて、
日本食パターンと死亡リスクとの関連を調べました。

日本食パターンとは、
「ご飯、みそ汁、海藻、漬物、緑黄色野菜、魚介類、緑茶、牛肉・豚肉」
の8項目の摂取量を点数化する日本食インデックスを使用しました。

*ご飯、みそ汁、海藻、漬物、緑黄色野菜、魚介類、緑茶では、
 男女別に、摂取量が中央値より多い場合に各1点
*牛肉・豚肉では、摂取量が中央値より少ない場合に1点
*合計0〜8点で算出
*この日本食パターンのスコアを4つのグループに分類
*その後約18.9年の追跡期間中に確認された死亡
 (全死亡、がん死亡、循環器死亡、心疾患死亡、脳血管疾患死亡)
 との関連を調べた。

<結果>
1)日本食パターンのスコアが高いグループの方が低いグループに比べて、
 ・全死亡のリスク14%低い
 ・循環器疾患死亡のリスク11%低い
 ・心疾患死亡のリスク11%低い

2)日本食パターンに含まれる8項目の食品と全死亡との関連
 8項目の食品の摂取量を
 「多い」「少ない」の2グループに分けて死亡リスクを調べた。
 摂取量が多いグループで、
 ・緑茶11%
 ・海藻6%
 ・緑黄色野菜6%
 ・漬物5%
 ・魚介類3%
 全死亡リスクが低下した。

<考察>
・日本食パターンにより
 全死亡・循環器疾患死亡・心疾患死亡のリスクが低かったことが示された。

・日本食パターンのスコアが高いグループでは、
 健康に有益な栄養素である
 食物繊維、抗酸化物質、カロテノイド、エイコサペンタエン酸など
 の摂取量が多かったことが考えられる。

・各食品の死亡リスクの低下への影響は小さいが、
 食品単体ではなく、
 日本食パターンとして評価することで、
 各食品に含まれる様々な栄養素の作用により、
 死亡リスクが低下した可能性がある。

・日本食パターンのスコアが高いグループほど
 食塩摂取量が多いという結果だったが、
 同様にカリウムの摂取量も多く、
 食塩とカリウムの摂取量の比は全てのグループでほぼ同じ値だった。
 カリウムには食塩のナトリウムを体外に排泄し
 血圧の上昇を抑える働きがある。
 そのため、
 日本食パターンのスコアが高いグループでは、
 食塩摂取量が多い場合でも、
 同様にカリウム摂取量も多かったことから、
 食塩による影響が打ち消された可能性がある。

・日本食パターンと全がん死亡との関連はなかった。
 がんの部位によって食品や栄養素との関連が異なり、
 がん死亡としては関連がみられなかったことが考えられる。

今回は中高齢者を対象にした研究です。
おこさんの場合は成長過程にありますので、
肉類を含めていろいろな食材をバランスよく食べる必要があります。

生活習慣病の予防、
日常の健康のため、
和食の大切さを再認識させられた報告でした。

この秋、
おこさんを連れて気軽に入れる和食のお店もあるので、
お出かけしてみてはいかがでしょうか。

台風14号が九州に接近中です。
皆様くれぐれもお気を付けください。